ジャズ on the net|JAZZの名曲・名演を動画で試聴

Jazzの歴史から代表的アーティスト、名演奏、スタンダードナンバー、おすすめの名盤まで―YouTubeの動画を視聴しながら、ジャズを愉しむためのツボをご紹介します。

名曲・名演

時さえ忘れて(I Didn't Know What Time It Was)

"I Didn't Know What Time It Was"に対して付された「時さえ忘れて」という邦題も、見事なものの一つだと思う。この楽曲を生み出したのはブロードウェイを代表するヒットメーカーの二人、作曲がリチャード・ロジャース、作詞はロレンツ・ハートである。とな…

ホワッツ・ニュー(What's New)

ウェブサイトなどでよく目にする、「新着情報」といった意味の"What's New"をタイトルとするスタンダードナンバーがある。もっとも、追ってお分かりの通り、文法上の用法、意味合いは異なる。この"What's New"は、ビング・クロスビーによる大ヒットやリンダ…

恋人よ我に帰れ(Lover, Come Back to Me)

今回は、「朝日のようにさわやかに」でも少し触れた「恋人よ我に帰れ(Lover, Come Back to Me)」をご紹介しようと思う。上の記事で述べた通り、これらはいずれも1928年にブロードウェイにかかった「ニュー・ムーン」のために書かれたもので、オスカー・ハマ…

恋に恋して(Falling in Love with Love)

"Falling in Love with Love"(邦題:恋に恋して)は、詞をロレンツ・ハート、曲はリチャード・ロジャースによってものされた―と来れば類推される通り、劇作品のための楽曲で、実際同曲は1938年11月23日に初演を見たブロードウェイ・ミュージカル…

愚かなり我が心(My Foolish Heart)

"My Foolish Heart"(邦題:愚かなり我が心)は、マーク・ロブソン監督により撮られ1949年に公開された同タイトルのアメリカ映画の主題曲である。作曲は「星影のステラ」なども書いたヒットメーカーのヴィクター・ヤング、作詞はニューリー・ワシントンが手掛…

今宵の君は(The Way You Look Tonight)

"The Way You Look Tonight"に対して「今宵の君は」という邦題を当てたのが誰かは存じ上げないが、見事な訳であると言うべきだろう。それに対し、この曲が作中で使われた、1936年封切りのアメリカ映画"Swing Time"を「有頂天時代」とした御仁―は固より、これ…

ホワイト・クリスマス(White Christmas)

近年、この時季に街中でクリスマス・ソングをあまり耳にしなくなったように思う。これは一つに、ハロウィンの方へ人々の目が移ったことに加え、未だ収束の見えないコロナウィルスの蔓延状況も大きく関与しているに違いない。個人的には、宗教心もないのに徒…

スウィングしなけりゃ意味がない(It Don't Mean a Thing, If It Ain't Got That Swing)

これまで取り上げたスタンダードナンバー・名曲のほとんどが、図らずもミュージカルをはじめとする舞台や映画といったより広いショービジネスの領域から生まれたものとなってしまったが、もちろん音楽の世界に芽生え育って大輪の花を咲かせた作品も数多い。…

恋とは何でしょう(What Is This Thing Called Love)

今回は、個人的に長年ちょっとした疑問を抱いているスタンダードナンバーを取り上げたい。「恋とは何でしょう(What Is This Thing Called Love)」がそれである。作詞・作曲を手掛けたのはミュージカルや映画のために数々の名曲を生み出したコール・ポーター…

ニューヨークの秋(Autumn in New York)

今年は梅雨明け後もぐずついた空とじっとりとした空気が長く続き、少なからず気を塞がれていたが、ここへきて漸く本来の秋らしい陽気に変わってきた。そうなると先の「枯葉」と並んで聴きたくなる一曲に、作詞・作曲いずれもヴァーノン・デュークによる「ニ…

イパネマの娘(The Girl from Ipanema)

今の時季、午後の眩い陽射しを浴びているとこの曲を聴きたくなる―という人は少なくないと思う。そう、「イパネマの娘(The Girl from Ipanema)」である。わざわざ説明するまでもないだろうが、イパネマはブラジルのリオデジャネイロにあるビーチで、元々この…

身も心も(Body And Soul)

タイトルを目にしただけで、「聴いてみたい」と食指を動かされる曲がある。 「Body And Soul(身も心も)」はその最たるものの一つだろう。 今般取り上げるのは、ジャズのスタンダードナンバーとしての同曲だが、実際、全く同じタイトルを冠したものがいくつも…

サマータイム(Summertime)

アメリカの音楽を世界に知らしめた最初の、そして最大の功労者と言えば、誰もがジョージ・ガーシュウィンの名を挙げるのではなかろうか。そのガーシュウィンは1935年、ミュージカルの嚆矢とされる、全3幕9場からなるオペラ「ポーギーとベス」を発表した。原…

イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン(It's Only A Paper Moon)

前記事において、タイトルに「星(star)」という単語を含むスタンダードナンバーの多いことを述べたが、それ以上に目立つのが、同じく夜空を飾る、我々にもっとも近しいともいえる天体、月を冠した曲である。いま、思い付くままに挙げてみても、Moonlight Ser…

星影のステラ(Stella by Starlight)

タイトルに「星(star)」という単語を含むスタンダードナンバーの多いのは、夜空に煌めく星の美しさ、神秘的な魅力などを考えれば至極当然と言えよう。実際、特に意図したわけでもないのに、本サイトでも「スターダスト=星屑」「星に願いを」の二曲を既にご…

朝日のようにさわやかに(Softly, As In A Morning Sunrise)

「時の過ぎゆくままに」と同じく、邦題に些か問題のあるスタンダードナンバーとして、「朝日のようにさわやかに(Softly, As In A Morning Sunrise)」を挙げることができる。この曲もまた、元々は1928年に公開されたオペレッタ―ミュージカル「ニュー・ムーン…

星に願いを(When You Wish Upon A Star)

先にご紹介した「いつか王子様が」と同じく、ディズニー映画の主題歌からスタンダードナンバーとしての確固とした地位を確立した曲に「星に願いを(When You Wish Upon A Star)」がある。このようなルーツの共通性に加え、両者は、曲自体は固より、邦題の具え…

時の過ぎゆくままに(As Time Goes By)

「時の過ぎゆくままに」という、非常に味のある邦題に訳されている"As Time Goes By"もまた、元々ブロードウェイ・ミュージカルのために書かれた曲である。作詞・作曲ともハーマン・フップフェルドの手になり、1931年、「エブリバディズ・ウェルカム」の挿入…

そりすべり(Sleigh Ride)

この時季、街へ出ると(実はあまり出ないのだけれど…)、さまざまな場所で、同じ曲を、違った形で耳にすることが多い。そんな曲には、タイトル・メロディともにすぐピンとくるものがある一方、メロディは耳に馴染んでいても、そのタイトルの方は思い浮かばない…

いつか王子様が(Someday My Prince Will Come)

映画・文学にしろ音楽にせよ、その作品のタイトルを適正かつ味わい深く訳すのが簡単でないことは、あらためて言うまでもないだろう。違和感を禁じ得ないような邦題がまかり通ってしまっている例が遺憾ながら見られるのも、そのためである。そんな中、"Someda…

枯葉(Autumn Leaves)

平地ではまだ夏の名残が色濃いかもしれないが、山の上の木々は既にだいぶ色づき、時折散り落ちる葉も見え始めている。この季節、聴かずにはいられない曲がある―と言えば、もうお分かりだろう。そう、数あるスタンダードナンバーの中でも、最も多くのアーティ…

スターダスト=星屑(Stardust)

「夜」をモチーフにしたジャズの名曲は枚挙に暇がない。そのような数ある宝石の中でも、「スターダスト=星屑(Stardust)」は、魅力・知名度ともにトップクラスに位置する作品と言え、多くのアーティストが好んで取り上げてきたという事実がこれを裏付けてい…

恋のチャンスを(Taking A Chance On Love)

「恋のチャンスを」あるいはよりシンプルに「恋のチャンス」との邦題をもつ"Taking A Chance On Love"もまた、1940年公開のミュージカル「キャビン・イン・ザ・スカイ」に挿入歌として使われた曲である。良妻ペチュニアと悪女ジョージア・ブラウンとの間で揺…

マイ・ファニー・ヴァレンタイン(My Funny Valentine)

現在、ジャズのスタンダードナンバーとして定着している曲には、元々ミュージカルのために書かれたものが少なくないが、今回ご紹介するマイ・ファニー・ヴァレンタイン(My Funny Valentine)その一例である。作詞・作曲はそれぞれロレンツ・ハート、リチャー…

オール・オブ・ユー(All of You)

有名なスタンダード・ナンバーである「オール・オブ・ユー(All of You)」は、1955年のミュージカル「絹の靴下(Silk Stockings)」を彩る一曲として誕生した。このミュージカルの原作は、ハンガリーの劇作家メルヒオル・レンジェルのシニカル・コメディ「ニノ…

ミスティ(Misty)

今回ご紹介するスタンダード・ナンバー「ミスティ(Misty)」は、私が「ジャズ」と意識して聴いた最初の曲(そして演奏)で、それゆえ一種特別の想いがある。もう数十年も前のことになるが、オーディオ雑誌に掲載されていた記事を読んでジャズに興味をもち、土曜…

バイ・バイ・ブラックバード(Bye Bye Blackbird)

1920年代の中期、名コンビとして数々のヒット曲を世に送り出した作曲家レイ・ヘンダーソンと作詞家モート・ディクソン。その代表作の一つに、1926年に書かれた「バイ・バイ・ブラックバード(Bye Bye Blackbird)」があり、次のように歌われる。Blackbird, bla…

A列車で行こう(Take the 'A' Train)

前回に引き続いてジャズの名曲・名演、今回ご紹介するのは「A列車で行こう(Take the 'A' Train)」だ。あらためて言うまでもなく、これは数あるスタンダードナンバーの中でも特に有名なものの一つで、たとえ曲名は知らなくても…

マイ・ロマンス(My Romance)

ジャズ・アルトサックス・プレイヤーが二回続いた後の今回は、スタンダード・ナンバーへ戻って「マイ・ロマンス(My Romance)」をご紹介したい。この曲は、1935年に初演されたミュージカル「ビリー・ローズのジャンボ」の主題歌として、詞はリチャード・ロジ…

降っても晴れても(Come Rain or Come Shine)

前回に続き、ジャズ・スタンダードナンバーを取り上げたい。多くの聴衆やアーティストに愛されて、歌い継がれ、演奏され続ける曲を「スタンダード・ナンバー」ということは先にも述べたが、この言葉の由来をご存知だろうか?これは、もともとニューヨークの…