ジャズ on the net|JAZZの名曲・名演を動画で試聴

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アルトサックス(4)―ルー・ドナルドソン

ジャズのアルバムもレーベルを通じて世の中へ送り出されるわけだが、このレーベルとの関わり方という観点から見て、作品を直接生み出すアーティストを大きく二種に分けることができる。

 

すなわち、一つ所に腰を据えて活動するのを好むタイプと、それとは対照的にあちこち渡り歩きながらキャリアを重ねるタイプである。

 

後者の代表としては先に取り上げたジョニー・グリフィン(Johnny Griffin, ts)や帝王マイルス・デイヴィス(Miles Davis, tp)などが挙げられる一方、マイルスと同じ年に生まれたアルトサックス奏者のルー・ドナルドソン(Lou Donaldson、1926年11月1日- )は、ほぼ一貫してブルーノートから作品を世に問うた、前者を代表する一人と言ってよいだろう。

 

Lou Donaldson

 


ノースカロライナ州農工大学に入学したものの、第2次世界大戦の勃発により海軍へ入隊したドナルドソンは、その訓練をシカゴで受けた際、一世代先輩に当たるチャーリー・パーカー(Charlie Parker, as)やディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie, tp)らの主導するビバップを知ってジャズに開眼し、戦後ノースカロライナへ戻って自分と同じように海軍従軍経験のある母校の学生とバンドを結成して本格的に音楽活動を開始した。

 

そして1950年、初の録音をチャーリー・シングルトン・オーケストラと行ない、1952, 53年には、ミルト・ジャクソンセロニアス・モンククリフォード・ブラウンといった綺羅星の如きアーティストとのセッションを収録した10インチ盤「New Faces - New Sounds」によりキャリアの地盤を確立し、先述の通り、以後主にブルーノートから数多の優れたアルバムをリリースすることとなった。

 

 

 

 


そのドナルドソンの特徴は、高音域を主な舞台として朗々と繰り広げられる、煌びやかかつ艶やかなパフォーマンスに認めることができる。

 

ドナルドソンの活動を全般的に眺めると、共演者にトランペッターの多いことに気付くが、これもその音色がトランペットと高い親和性を具えているためのように思う。

 


また、初めビバップに啓発されたのは間違いないにしろ、ドナルドソンの上の特質はそこに留まるに好適とは些か言い難く、やがてアート・ブレイキー(Art Blakey, ds)らの実践するハード・バップへ自然と向かうこととなった。

 

さらに、ジミー・スミスのセッションへの参加により芽生えたソウル・ジャズ、ファンキー・ジャズへの志向も、後にドクター・ロニー・スミス(Dr. Lonnie Smith)を擁して「アリゲーターブーガルー(Alligator Bogaloo)」などに結実する素因として、見逃してはならないものだろう。

 


ドナルドソンは2016年、実に70年に亘るキャリアを閉じ、90歳で現役を退いたが、その遺産は今後も色褪せることなく引き継がれていくに違いない。

 

https://www.youtube.com/watch?v=GS4rgZOJ4S8

https://www.youtube.com/watch?v=mfrfsmsqzFU